教育とは何かを考えさせられる本
プログラマーの 経験がある親は、一度は子どもにプログラミングを教えてみようとしたのではないだろうか。
これ、割と難しい。
自分のプログラム経験を教えてあげるだけだ、と思うのだが、自分がどうやって習得してきたか思い返すと、結局トライ&エラーの試行錯誤であり、最終的にはこれ以外の道が思いつかなくなる。
プログラムをどう教えるか、みたいなことも書いてあるか、と思い読んでみた。
子どもがハマるものを見つけるまで待ち、思う存分ハマらせてあげなさい、という本だ。
ちなみにAIに取って代わられる仕事が知りたくてこの本を読んだのではない。
もうそこはいい。
どうせ新しい職業に取って変わるだけだ。
今やどんな親もこれから先、どんな社会になっていくのか、知識や技術が必要になっていくのかを、ただただ知りたいのだ。
冒頭から、スポーツや音楽は遺伝、と身も蓋もないけれど現実的な意見から始まる。
これは結構自分でも驚いたが、すんなりと納得した。
スポーツ選手を目指しても無駄という話ではなく、プロ選手になれなければ意味がない、という考えがあまりにも狭い、としているからだと思う。プロ選手になるのは親がトンビでは中々難しくても、そこを目指す努力が色んなものを引き寄せる、という所で共感している。
兎に角、子どもにこれを好きになってもらいたい、あの職業についてもらいたい、と親の妄想に付き合わせるのは可哀想な話だ。そこは理解している。
ただ、親として子どもにどんな事を教えられるかを考えた時、少しでも人生において有利なことを・・と考えてしまうのが親なのだ。
今、STEAM教育、という言葉が流行っているが、自分は理科も科学も嫌いだし、子どもたちも特に興味を抱いてない様だ。博物館やら図鑑を与えることもやってみたけど、本書にもある通り、そういう親の下心はやっぱりバレるのだろう。親が興味を持てないものは、やっぱりごり押しもできないし。
本当に、どんな事を教えていけば(まぁこの考えがすでにウザいんだろうけど)いいのかとっかかりが欲しかった。
でも、結果、子どもが好きなことをよく見ておけ、ということを教えられる。
確かにそうだけど。。
親の不安は続く。
結局、特にAI時代だから、とかは関係ないのだろう。
いつの時代も、人生を切り開くのは子ども自身。
どんな知識を習得し、どんな人生を歩むのかを決めるのは、子ども自身なのだ。
何かやりたい、と思うことが出来たとき、応援することくらいしか親には出来ないのかもしれない。
実際にやってみることの凄さを実感する本
UXとかUI関連の本が嫌いだ。(失礼)
どうしてか、教科書チックで楽しくない。
ツールというか手法というか、フレームワークの話ばかりで好きではない。
だってその理屈だと、やり方を知ってれば誰だってできる、という話になる。
知識は活かすものだし、いろいろと手法を知っているというはそれはそれで強いのだけれど。
それで、あなたはどんなUIを作るのですか?
どんなUXデザインをしたのですか?
こんな簡単な問いに答えている本がどれくらいあるだろう。
他者の成功事例ではなく、自作の事例を載せている本、という点でこの本は大好きだ。
インターフェイスにおいて、「意識にあがってこない感」こそ最良だ、というのにすごく共感。
そうそう、いつもイライラするのは上手くいかない時なのだ。
私はこの本を読む前から、認知心理学がやりたくて大学に入学した。
社会人なので通信制だが、心理学を専攻している。
UIデザインを職業とするようになって、しかも「何の」デザインをするのか決まらなくなって、VUI?AIのUI?もしかしたらインターフェースとかないかも!?みたいな世界で、自分にはどんな能力が必要なのか、と思った時、私には心理学だった。
で、いろいろ勉強しはじめたのだが、本の導入部分、すごく自分とシンクロしていて、この筆者とは気が合いそう♪なんて思っていた。
この本の作者は、心理学を理系でもない文系でもない学問、としているが、私は完全に理系だと思っていたので、そうそう、文系って違和感あるよね~とか軽い気持ちで読んでいたら、いやいやいやいや。
この人はすごい。
自分でプロダクトを開発しているから、前半の内容の説得力が違う。
手に持っていたものを操作した時、どこまでが手の延長として感覚を持つのか。
もしそれが言葉や文章で理解できたとして何になるだろう。
やってみて、それが実際に体感できたら、価値がある知識となるのだ。
発想力、という点でもすごい。本当に難しいのは、知識をINPUTする事ではなく、それを応用して形にするOUTPUTだ。
smoon、かっこいいなぁ。。
smoon: 計らなくて済むスプーン | Keita Watanabe
ネットに接続されている事を体感するには、モニター上でブラウザを通して、という時代があった。次は、そこはもう通り過ぎてスマホにとってかわった。
今は、それさえとっくに過ぎて、気づかないうちに、自分が思うよりもっともっと実生活にネットワークが入り込んでいる。
ある一定の境界線から、私たちは気が付けなくなっている。
デジタル一眼はWifiを積んでいるし、
テレビはOSがAndroidだったりするし、
メガネや洋服は勝手にサイトが選んでくれるし、
タクシーは一番近い所を走っている車が配車される。
これから、もっともっと気が付きにくくなるだろう。
IoTであらゆるものがネットに繋がって、RPAやAIが色々自動化を頑張ってくれて、もう繋がっていないものはないじゃないか、という世界になった時、本当に「人間中心」の「体験」なんてデザインできるのか。
発想力が大切だ。
そのためには実際に、UX開発を行わなくてはならない。
やっぱり犬はかわいいと思った本
ずっと何が面白いのかわからなかったハーレクイン(失礼)。
でもここ何年かは、ストーリーの長さ・安定の結末・ハッピーエンドが分かっているのにドキドキする展開、という不思議な魅力にハマっている。
何冊も読んでいると、いわゆる「王道パターン」というのが見えてくるが、この物語はすべてが異色だ。
まず、「犬」である。
ハーレクインは恋愛モノなので、基本的には主人公たちの他に、両親・兄弟・親戚と、主人公のライバルになる性格難あり美人、軽く口説いてくる男友達くらいしか登場人物が出てこない。
それが今回は犬がキーマンだ。
割とめずらしい。いや、こんなの見たことがない。
あと、男性キャラが異色。
お金持ちで女性にモテるのは王道だが、とにかく軽い。
最初から主人公のことを「美人だ、ひっかけたい♪」みたいに思う男性キャラは珍しい。大体、男性が主人公に抱く第一印象は、詐欺師か誰かの愛人、地味で真面目な姉キャラ、または派手な遊び人(ほとんど全部誤解)、と相場が決まっている。
性格も、ガチガチに頭が固くなっていたり、過去のトラウマに苦しんでいたりするわけでなく、明るくチャーミングで、最後には犬への愛情に気がつくいいヤツだ。
そして、主人公も変わっている。
お金持ちではないし、秘密を隠し持っているわけでもない。処女ですらない(多分)。
ただひらすらに仕事(と、わんこ)を愛している女性。
いや、これは異色だ。
異色、というか、普通だ。普通のいい話だ。
つまり、ハーレクインの良さ・ハーレクインっぽさ、というのは残念ながらあまり無いのだけれど、なんだかキャラ全員がかわいらしい。とくにわんこ。犬好きにはたまらない。
「こわもて、珍しい血統、ツンデレ」
このコンボにやられる。
それにしても、プレイボーイがヒロインに夢中になる、というのがハーレクインのはずが、わんこに主役を持っていかれちゃった主人公。・・幸せになってね。
若い人とつながりたくなる本
先日、AI時代に子どもにどんな能力が必要か、という内容のセミナーに参加した。
講師の話で一番驚いたのが、日本の各省庁が変わりはじめている、という話だ。
プログラミングが小3から必須課程となるが、で、その背景として政府はどんな思いで教育を考えているのか、との疑問から色んな資料を読み漁ったそう。
なにやら今までと様子がちがうらしい。
資料から、いつになく本気を感じたそうだ。
その理由は、いわゆる「ゆとり世代」の官僚が、超超縦割り社会の省庁の横連携を可能にし、知見を集めたからなのでは、とのご意見だった。
そんなことはゆとりにしかできない、これからゆとり世代が政治家になれば、さらに世の中かわるだろう、と。
モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)
- 作者: 尾原和啓
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/09/27
- メディア: Kindle版
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この本を読むとその理由がわかる。
この本の著者も、かつてはゆとり世代に失望していたようだ。
自分のことを考えると、失望まではしないけども、やっぱり思うことはある。
とにかく大人しい。大人しすぎて思考が見えない。
勉強会には積極的に参加するのに、質疑応答では反応がない。懇親会にも参加しない。
でも、明るく真面目で熱心なのだ。
同年代では男女のこだわりもなく、誰とでも議論する一方、上司の前で特に意見することはない。
団塊とゆとりのハイブリッドである私は、ちょっと心配だった。
そんな風にしてたら、やる気ないのかっ‼️って誤解されちゃうよ、と。
でもそんな心配は杞憂だった。
むしろ自分たちがわかってなかっただけなのだ。
彼らはまさに本にあるように「残業するほどヒマじゃない」のだ。
本当に意味のある、価値ある行動をしたいのだ。
ハイブリッド世代は考える。
お金、超欲しい。
美味しいもの、広い家、ステキ!欲しい!!
だけど、物があふれるこの時代で、まだ物を作って売り続けるの?
得たお金で、一体自分は何がしたいの?
美味しいご飯や家って、本当に欲しかったんだっけ?
今、自分の持っているもの。
案外悪くないんだよなぁ、と思うこともハイブリッド。
ザッカーバーグみたいに資産の99%(5兆)を寄付しちゃうのも理解できないけど、人生において仕事が一番大事、とも思えない。
たかが仕事、されど仕事なのだ。
「ゆとり世代」がこんな思いをやすやすと飛び越え、自分の大好きなことを人の目なんてきにせず、仕事でもプライベートでも思うままにできる世代なんだとしたら。。
単純にうらやましい。
そんな人はぶっとんでる人で、尊敬に値する人だったんだから!
自己啓発の本の9割には、好きなことをやろう、と書いてある。
でも思考の枠は、なかなか意識的には変えられない。はじめからそれだ、っていうのが最強だ。
もうひとつ。
本の中で、こんな考え方の世代が活躍できる世界を作ったのは、上の世代であり、AI搭載ロボットみたく、無心で一生懸命働いてくれたからだと、ある。
その土壌にあって、40代で好きなことしていいよ、と言われ、若手は楽しく素直に享受するなか、私たちハイブリッドは?
実は一番変わりたいと願っているのは、私たちの世代なのかもしれない。
アウトプットする気になった本
もともと本が好きで、毎日本を読んでいる。
読むスピードはあんまりだけど、不安なことがあると特に本を読みたくなる。
もやもやした気分、イライラ、何だかわからない物足りなさ。
ほとんど本が解決してくれる。
今年に入って転職した。
そこでは新しい仕事が待っていて、最初は色々とまどった。本の出番だ。
ほどなく、会社からの期待はまさにアウトプット力なんだ、と気付く。
そういえばブログもSNSもほぼやってないので、自分の考えをアウトプットしたものがない。これはまずい、FBもプライベート過ぎてつながれない。
自分がどんな人間なのか、デジタルの世界で証明できないことにこんなに焦るなんて。。
そんな時、偶然目に入った本。
はい、完全に誰かが背中押してますね。
(148)黄金のアウトプット術: インプットした情報を「お金」に変える (ポプラ新書 な 9-1)
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/04/10
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簡単な言葉で書け、学校で書いた読者感想文で文章力は身に付いている、間違っても直せばよい、とその気にさせてくれる一方で、本を10冊同時に読め、子どもに背中を見せるために会社をやめて起業しろ、となかなかハードルの高い提案もある。
色んなアウトプット方が提案され、ほら、いますぐやりなよ⁉️と追い込まれる。
でも私を筆頭に、この本を読むのはきっと
「寝る直前までスマホばっかり見て!💢」
とインプット過多を怒られているはずなので、何だか申し訳ない気持ちで「やっぱりなんかやんなきゃなぁ。。」と、素直におしりを叩かれるのである。
外見やプレゼンもいいけど、ちょうど仕事関係の本もたくさん読みたいし、やっぱり私は本にしよう。
でも読んだ本を紹介するのって何でこんなに気恥ずかしいんだろう。
スマホの本棚を見られるのは、じろじろ自分を品定めされる感覚と似ている。
夜な夜なハーレクインを読んでいるのがバレても、やっぱりアウトプット大事、ってことでいいんだよね⁉️と心配しながら、ちゃんと続けていこう、と宣言しよう。一応。