AI時代のUXと子育て 

AI、心理学 、UX、マンガ、その他もろもろ。よのなか色々知りたいブログ

実際にやってみることの凄さを実感する本

 UXとかUI関連の本が嫌いだ。(失礼)

 

どうしてか、教科書チックで楽しくない。

ツールというか手法というか、フレームワークの話ばかりで好きではない。

だってその理屈だと、やり方を知ってれば誰だってできる、という話になる。

 

知識は活かすものだし、いろいろと手法を知っているというはそれはそれで強いのだけれど。

 

それで、あなたはどんなUIを作るのですか?

どんなUXデザインをしたのですか?

 

こんな簡単な問いに答えている本がどれくらいあるだろう。

他者の成功事例ではなく、自作の事例を載せている本、という点でこの本は大好きだ。

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

 

 

インターフェイスにおいて、「意識にあがってこない感」こそ最良だ、というのにすごく共感。

そうそう、いつもイライラするのは上手くいかない時なのだ。

 

私はこの本を読む前から、認知心理学がやりたくて大学に入学した。

社会人なので通信制だが、心理学を専攻している。

UIデザインを職業とするようになって、しかも「何の」デザインをするのか決まらなくなって、VUI?AIのUI?もしかしたらインターフェースとかないかも!?みたいな世界で、自分にはどんな能力が必要なのか、と思った時、私には心理学だった。

 

で、いろいろ勉強しはじめたのだが、本の導入部分、すごく自分とシンクロしていて、この筆者とは気が合いそう♪なんて思っていた。

この本の作者は、心理学を理系でもない文系でもない学問、としているが、私は完全に理系だと思っていたので、そうそう、文系って違和感あるよね~とか軽い気持ちで読んでいたら、いやいやいやいや。

 

この人はすごい。

自分でプロダクトを開発しているから、前半の内容の説得力が違う。

手に持っていたものを操作した時、どこまでが手の延長として感覚を持つのか。

もしそれが言葉や文章で理解できたとして何になるだろう。

やってみて、それが実際に体感できたら、価値がある知識となるのだ。

 

発想力、という点でもすごい。本当に難しいのは、知識をINPUTする事ではなく、それを応用して形にするOUTPUTだ。

smoon、かっこいいなぁ。。

smoon: 計らなくて済むスプーン | Keita Watanabe

 

ネットに接続されている事を体感するには、モニター上でブラウザを通して、という時代があった。次は、そこはもう通り過ぎてスマホにとってかわった。

今は、それさえとっくに過ぎて、気づかないうちに、自分が思うよりもっともっと実生活にネットワークが入り込んでいる。

 

ある一定の境界線から、私たちは気が付けなくなっている。

 

デジタル一眼はWifiを積んでいるし、

テレビはOSがAndroidだったりするし、

メガネや洋服は勝手にサイトが選んでくれるし、

タクシーは一番近い所を走っている車が配車される。

 

これから、もっともっと気が付きにくくなるだろう。

IoTであらゆるものがネットに繋がって、RPAやAIが色々自動化を頑張ってくれて、もう繋がっていないものはないじゃないか、という世界になった時、本当に「人間中心」の「体験」なんてデザインできるのか。

 

発想力が大切だ。

そのためには実際に、UX開発を行わなくてはならない。